医療法人社団 千秋会 田中脳神経外科病院 TANAKA NEUROSURGICAL HOSPITAL

医療放射線被曝について

放射能と放射線

放射能とは、不安定な原子核が安定な原子核に変わる時(壊変現象)に、放射線を放出する能力またはその強さを言います。また、このような性質を持つ元素を含む物質は放射能を有するため放射性物質と呼びます。

放射線とは、放射線発生装置などを使い発生させたり、不安定な原子核が安定な原子核に変わる時に放出される光子線(x線、γ線)または粒子線(α線、β線など)です。

(電球に例えると、電球が放射性物質、電球から出る光が放射線、光を出す能力を放射能と言う事ができます。)

病院で使用される放射線

当院では、x線検査を中心とする診断用x線が用いられています。胸部・腹部・頭蓋骨・脊椎・上肢・下肢骨撮影などの単純(一般)撮影、CT検査、透視整復・Op透視などのx線透視などです。

被曝線量の単位

吸収線量Gy(グレイ)は放射線が単位質量あたりに吸収されたエネルギーの量を言います。

線量当量Sv(シーベルト)吸収線量Gyが同じでも放射線の種類や性質(エネルギー)によって人体に与える影響に差が出て来る事を加味したものです。GySvの関係は次のようになります。

Sv=Gy×線質係数×修正係数(x線の線質係数は"1"、修正係数は全ての放射線で"1"で計算されます。)

実効線量当量Svは全ての形の被曝を全身被曝に換算した線量の事です。すなわち、x線検査で手指や頭部などを撮影した場合、被曝は撮影した部位に限られますので被曝した部位それぞれの線量当量Svに発癌などの重みを付けて合計し、全身被曝に換算したものです。

放射線被曝の影響

放射線被曝の影響には限界線量(しきい値)のある非確率的影響(急性障害、白内障など)と限界線量(しきい値)の無い確率的影響(癌や遺伝的影響など)に分けられます。

非確率的影響が発生する可能性は一度に数百mSv(ミリシーベルト)以上を被曝した場合に影響が発生すると言われています。当院で行われているx線検査による被曝には個人差はありますが、一般的なx線検査での被曝線量は、多くても数mSvから数十mSv程度です。これは、放射線を被曝した時に影響が発生する最小の線量、すなわち限界線量(しきい値)を大きく下回るので、当院のx線検査では、脱毛、白血球の減少、胃腸管障害などの急性障害や白内障などの非確率的影響が発生する可能性はありません。

確率的影響の場合には、限界線量(しきい値)が無いので、x線検査によって癌や遺伝的影響が誘発される可能性が0ではありません。しかし、0では無いと言っても大きな値ではありません。白血病(*赤色骨髄への被曝)を例にとると、放射線誘発の白血病の確率(生涯リスク)は集積線量(生涯にわたって被曝する線量)が関係しますが、集積線量が1Gy=1000mGy(ミリグレイ)の場合で0.5%(生涯リスク)放射線誘発の白血病が増加する事になり、これは、放射線以外の原因で自然発生の白血病(生涯リスク0.66%)と同程度です。また、被曝(撮影)した部位以外には影響は発生しません。すなわち、手指のx線検査を受けても白血病誘発の可能性は無く、また、妊娠と気付かないで、頭部のx線検査を受けても胎児への放射線の影響は問題となりません。

*赤色骨髄は腰椎・胸骨などに分布します。

放射線を怖がって必要な検査を受けなければ、重篤な疾患の早期発見や診断の確定などに支障を来たす恐れもあります。x線検査を上手に受けるコツは、検査の目的についてきちんと説明を受け、必要な検査を正しく受ける事だと言えます。

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